サラリーマンはストレスを溜めがち問題『会社を辞めて生き方を変えることにした』

『会社を辞めて生き方を変えることにした』を読んだ。

実体験ベースの話が多いのが好印象

著者の人生体験とそれに裏打ちされた人生に対する熱い想いが語られていて、とても面白く感じた。表紙から受けるゆるいテイストとは裏腹に、抽象度の高い理念や哲学ではなく、実体験で得たことやエピソードを中心に語られているのが説得力につながっていた。著者のすずひら氏はとても正直な方だと感じられた。

生活費の最小化を重視

生活の最適化の方向性としては、生活費の最小化を強く意識する方向になっている。これは先日読んだ「生きづらい人のための人生戦略」と同じ方向性であり、「減速して自由に生きる」、「年収100万円の豊かな節約生活術」、PHAさん、大原偏理あたりもこの系譜に属するだろう。古くは「森の生活」的な考え方だ。経済的・物質的な幸せの優先度を下げ、マイペースに生きることで得られる精神的な充足感や自分の生き方に対する納得感を上げようとするのが、芯にある考え方に思う。

サラリーマンはストレスためがち問題

仕事で貯めたストレスを発散するためにお金を使うことで、貯金がなかなか貯まらないという話は、「お金か人生か」を思い出させる。生活のための仕事が、いつしか主従逆転し、仕事のための生活になっていく流れは国を問わずよくある話だ。特に、30歳後半以降のサラリーマンは仕事における責任が増えがちなので、こうなりやすいのかもしれない。

終わりに

サラリーマンという働き方を露悪的に語りすぎている側面も若干あると感じたが、同時に、吐露される気持ちはどれも自分も経験したことのあるもので、共感しながら読んだ。自分も今はまだサラリーマンとしてやっているが、なんとかして著者のような方向に人生を近づけていきたいと思う。