法人という概念を再考する『貧乏はお金持ち』

2009年に出版の本で、今となっては、内容が古い部分もあるが、根幹となる考え方の部分では今も変わっていないことも多く、読んでいて示唆が多い。特に第2章で語られている法人とは何かというテーマは、普段我々が当たり前に接している会社と言うものあり方を改めて見直したくなるような内容だった。

p156でサラリーマンの場合、税務会計上の所得と財務会計上の処分所得が全く別物になると言う話をしているが、ここはマイクロ法人と言うアイディアを考える上で、大事なポイントに思う。

サラリーマンの税務会計では、家賃等の生活費は、経費とすることができないのに対し、法人の税務会計では、按分と言う制約はあるものの、*1家賃等の生活費を経費にできてしまう。*2こんな感じで、同じお金を使い方をしているのに、その主体が、個人が法人かで、税務会計のあり方が変わってしまうっていうのは、著者も指摘している通り、変な話ではあるが、仕組みをハックするための視点としてとても有益だと思った。

*1:自分が誤って理解していたが、法人の会計においては家事按分という考え方はない

*2:家賃については会社名義で賃貸物件を借りる難易度には諸説あるので、簡単にできるかどうかは別問題という話もあるかもしれない。