給与収入と生活費決済の非同期化(疎結合化)

概要

給与収入と生活費決済の非同期化とは、(1) 給与が振り込まれる銀行の口座、と、(2) 生活費の引き出し・引き落としが発生する口座を分離し、生計のキャッシュフロー的な意味合いでの給与収入への依存度を下げることである。

背景とモチベーション

2024年4月現在、著者はサイドFIREを目指して蓄財を進めている。その中で、資産額が増えつつあるのにも関わらず、「給与収入が無くても生きていける」という感覚が芽生えてこないという課題感を感じている。

この課題の突破方法として、毎月の給与を原資に翌月の生活費を賄うモデル(自転車操業モデル)からの脱却がキーポイントなのではと考えている。

そのための具体的な方策として、あらかじめ一定量の現金を貯めた口座を給与振り込み口座とは別に作り、冬眠の前の食糧の備蓄をするような感覚で、給与には手をつけずにそこの現金を少しずつ取り崩しながら、毎月の生計費を賄っていく家計フローの構築を検討している。

この考え方を給与収入と生活費決済の非同期化と読んでいる。

給与以外の安定したキャッシュフローか一定量のストックのどちらかが必要

給与収入と生活費決済の非同期な状態を維持していくためには、以下のいずれかまたは両方が必要になる。

  • 給与以外の不労収入が安定したキャッシュフローを産んでいる、別の言い方をすると定期的に一定量のお金が入ってくる状態を確立する

  • 給与収入がなくても一定期間生存可能な量の流動資産を積み上げる

今後のサイドFIREの検討に際しては、このあたりが重要な観点になりそうだ。

※例えば、サイドFIREに至るまでの目標として、生活費の5年分の流動資産と生活費の80%をカバーできるだけの非労働収入がある状態を作るなど、フロー面とストック面で目標を設定するのはありかもしれない

追記 : 非同期化というより疎結合化なのかも

このような考え方の本質はどこか?あれこれ考えていたのだけど、コアな考え方は「給与収入と毎月の生計費決済の 結びつきを弱める という意味で「疎結合化」の方がイメージに近いのかもと思った。例えばだが、給与の振込口座と生計費の引き落とし口座が同じ口座の状況は、「結合度が高い状況」と考えることができる。そして、両者を別の銀行の口座に分けることは「結合度を下げる/疎結合化」と呼ぶようなイメージ。IT業界のソフトウェアエンジニアリングの文脈でいう「結合」とはだいぶ意味合いが異なるのだけど、自分的にはしっくりくるのでこの路線で考えてみるのはありかも。